SUAMA LAB

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生物学:細胞の構造

こんにちは、すあまです。

今回は細胞の構造について解説していきます。第1章で細胞についての概要を書いているので「最初から読みたい」、「そもそも細胞って何?」と思われた方は以前の記事から読んでいただけると幸いです。

suama14.hatenablog.com

それでは前置きはこれくらいにして細胞の構造とはどのようなものかみていきましょう!

1.細胞の構造

1.1.まずは自分たちについて考えてみよう

まずは、私たちヒトの細胞がどのような構造をしているか考えてみましょう(ヒト以外の読者の方すいません)。下図に細胞を顕微鏡で撮影した写真を載せます。

細胞は顕微鏡で観察すると、このように見えます(採取してくる部分や、生物種によって違いはあります)。

それでは、これらの細胞の内側はどのようになっているのでしょうか?細胞を1つ取ってきてその切断面を見ると非常に複雑に見えるので、次の項では簡略化したイメージ図をお見せします。

1.2.体細胞の構造

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細胞のイメージ図

上図が簡略化された細胞のイメージ図です。細胞はこのような中身をしており、様々な形、大きさのものが存在していることがわかります。これらは細胞小器官と呼ばれ、それぞれが細胞の生命活動に関わっています。

細胞小器官にはどのようなものがあって、それぞれどのような働きをしているのか知ることで細胞の機能について少しずつ理解することができます。

それでは、次の項でどのような細胞小器官が私たちの細胞にあるのか説明していきます。

1.3.細胞小器官

1.3.1.細胞核(さいぼうかく)

まず最初に説明するのは細胞核という細胞小器官です。このページでは今後、細胞核のことを単純に核と呼び、説明します。

核は私たちの細胞にとって非常に重要な細胞小器官で、細胞の遺伝情報の保存と伝達を行っています。

遺伝情報というのは、どのような形や機能を持っているのかという情報なので、よく「生命の設計図」という比喩が用いられています。

遺伝情報が正しく保持、伝達できないとガンなどの疾患につながることもあるため細胞における核の役割は非常に重要であるといえます。

1.3.2.ミトコンドリア

次に、ミトコンドリアという細胞小器官について説明します。

ミトコンドリアも非常に重要な役割を担っていて、好気呼吸の場として知られています。

好気呼吸というのは酸素を使って体に必要なエネルギーを作り出す一連の反応のことです。

普段、私たちが無意識に行っている呼吸によって得られた酸素と食物によって得られたエネルギーから実際に身体が使うことのできるエネルギーを作り出す一連の反応がミトコンドリアで行われています。

そのため、生命が生きていくためのエネルギーをミトコンドリアが作り出すという意味でミトコンドリアも非常に重要な役割を果たしています。

1.3.3.リボソーム

リボソームタンパク質合成の場となる細胞小器官です。

タンパク質というのは生物の重要な構成要素で、リボソームでタンパク質合成が絶えず行われることによって私たちの身体は生命活動を滞りなく行うことができます。

1.3.4.中心体(ちゅうしんたい)

中心体は細胞分裂の際に必要となる細胞小器官です。

私たちの身体は細胞によってできているということを前回説明してきました。

つまり私たちが生きていくためには死んでいく細胞と同等もしくは上回るペースで新しい細胞ができてくる必要があります。

新しい細胞ができる際、何もないところから生まれてくるわけではなく、1つの細胞が2つに分裂するかたちでできます(この現象を細胞分裂といいます)。

その際に重要なのが中心体です。

1.3.5.細胞骨格

細胞骨格は、細胞分裂や細胞の形状の保持、細胞の移動などに関わる細胞小器官です。

細胞骨格には

  1. 微小管
  2. アクチンフィラメント
  3. 中間径フィラメント

の3種類が存在しており、それぞれの働きによって生物はその生命活動を行うことができます。

1.3.6.細胞膜

前回、「生物は外部と内部を隔てる細胞によってできている」ということを紹介しました。

その役割を実際に果たしているのが細胞膜です。

細胞膜は外部と内部を隔てている以外に、外部との物質のやり取りを行う役割も果たしています。

1.3.7.小胞体

小胞体は名前の通り、小さな袋状の構造をしています。

小胞体には

の2種類が存在しており、それぞれの名前の由来は電子顕微鏡で観察した際の見た目の違いです(粗面小胞体はザラザラ、滑面小胞体はツルツル)。

粗面小胞体電子顕微鏡で観察すると表面がザラザラしているのですが、これは表面に多数のリボソームが付着しているためです。そのため、粗面小胞体はタンパク質合成に関わっています。

一方、滑面小胞体は物質の輸送経路や貯蔵庫となります。滑面小胞体がどのような機能を担っているかは細胞の種類によって異なっています。

1.3.8.ゴルジ装置

ゴルジ装置は分泌性タンパク質をまとめて小胞にして送り出す働きをしています。

つまり、ほかの場所に輸送したいタンパク質を小さな袋(小胞)の中にひとまとめにして送り出してくれる、宅配便の発送のような役割をしています。

上記の滑面小胞体を通ってきたタンパク質などもこのゴルジ装置から別の場所へ送り出されます。

1.4.第1項まとめ

いかがだったでしょうか?

今回紹介したように、私たちを構成している細胞には、上記のような様々な細胞小器官が存在しています。

これらの細胞小器官がそれぞれの役割を担うことによって、私たちの生命活動は行われています。

また、今回紹介した細胞小器官以外にも、リソソームやペルオキシソームなどといった細胞小器官も存在しています。

それぞれの細胞小器官の形状や、より詳細な機能などについては今後紹介していこうと思うので、今回は

  • 細胞には様々な細胞小器官が存在する
  • 細胞小器官はそれぞれ決まった働きを持つ
  • それぞれの細胞小器官が機能することによって生命活動が行われる

ということを理解していただければと思います。

次回は生物種による細胞の違いについて紹介したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!