こんにちは、すあまです。
今回はニワトリ胚を用いて、骨格筋細胞の培養に挑戦したいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。
前回のおさらいと今回の実験について
実験日記の第1弾は「ニワトリ胚の全細胞培養」でした。
前回の実験で分かったことは
- 細胞の接着率はコントロールとプラズマ処理で大きな差は見られなかった。
- 細胞の増殖に関しても、コントロールとプラズマ処理で見た目では大きな差はみられなかった。
- 培養開始から1週間経過した段階で形態が異なる細胞が数種類観察されたがその種類を同定することはできなかった。
という内容でした。
今回はそこから少し路線を変えて、ニワトリ胚を構成する細胞の中で特定のもの、骨格筋細胞の培養に挑戦したいと思います。
なぜ骨格筋なのか
次に最初に単離する細胞に骨格筋細胞を選んだ理由について説明します。
理由は大きく分けると3つあって、
- 解剖の段階で採取しやすい
- ひとつのニワトリ胚から多くとれる
- 肉の原料といえば筋肉
というものです。
3つ目の理由に関してはこちらの記事で紹介しているので是非お読みください。
以上が今回の実験の趣旨に関する説明でした。
以降が実験の方法と結果です。
実験方法
- ニワトリ胚(11日胚)2個体から脚(計4本)を採取した。
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脚の皮、骨を取り除き、筋肉を約1㎜³までカットした。
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0.25%コラゲナーゼで処理(時間:30分)
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上清を取り除き、50mLチューブに10mL入れて遠心
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上清を取り除き、DMEM10mLで希釈
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5の細胞液50uL+DMEM3mLをコラーゲンディッシュに播種
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37℃、CO₂:5%でインキュベート
実験結果
本来ならば培養開始から写真を撮影するべきだったのですが、諸々の事情で培養開始3日後からの観察となりました、あしからず...
培養開始72時間後
培養開始168時間後
考察&結論
- ニワトリ胚骨格筋由来細胞を培養することができた。
- 培養した細胞は筋細胞のような繊維状の構造にならなかった。
- 一週間たってもディッシュを埋め尽くすほど細胞が増殖することはなかった。
感想&まとめ
培養開始72時間後に細胞を観察した時に真っ先に思ったのは、細胞が思ったよりも増えていないということでした。
今までも筋細胞の培養に挑戦したことはあったのですが、72時間たっても細胞がディッシュを埋め尽くしていないことや細胞が繊維状になっていないのは初めてのことだったので、今後どのような条件が変わると筋細胞に分化するorしないの変化が現れるのか明らかにしていきたいと思います。
また、今回は載せていませんが筋細胞に分化したサンプルもあるのでそちらはまたの機会にアップしたいと思います。
質問等ございましたら是非ご連絡ください。