SUAMA LAB

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ニワトリ胚の全細胞培養①

こんにちは、すあまです。

今回は自身の研究テーマとは別に進めている闇実験をご紹介したいと思います。

私の所属している研究室ではニワトリ胚というニワトリの有精卵を孵卵器で数日間温めたものを実験に用いています。

そこで今回はニワトリ胚を用いて細胞培養を行い、その経過をこちらで公開していきたいと思います。

実験の目的

ニワトリ胚を構成している細胞同士の相互作用、主に細胞の形態や増殖に対する影響を明らかにする。

仮説

線維芽細胞のような増殖しやすい細胞がシャーレを埋め尽くす。

実験方法

  1. ニワトリの有精卵を孵卵器に入れて8日間発生させた。
  2. 1の卵に柄付き棒で穴をあけ、その部分からはさみを入れて卵の上部を切り取った。
  3. ニワトリの8日胚を卵から取り出し、PBS10mLが入ったシャーレ中で1㎜³くらいまで解剖用ハサミでカットした。
  4. 3のニワトリ胚とPBSの混合物を50mLチューブに移した。
  5. 上清を除去し、トリプシン10mLを加えて10分間インキュベートした。
  6. 新しい50mLチューブに4の混合物を移した。その際にセルストレーナーを用いてニワトリ胚の組織片を分離した。
  7. 6にDMEM培地を25mL加え、溶液の合計を35mLにした。
  8. 20℃、1000rpmで10分間遠心した。
  9. 上清を除去し、DMEM培地を4mL加えてピペッティングすることで細胞溶液を作製した。
  10. 4枚のプラスチックシャーレ(無処理×2、プラズマ処理×2*¹)に細胞溶液を1mLずつ播種し、DMEM培地をさらに4mLずつ添加した。
  11. 37℃、CO₂濃度5%の条件でインキュベートした。
  12. それぞれのシャーレを顕微鏡で観察(特に記述がなければ倍率は100倍)

*¹プラズマ処理はシャーレを親水化するために行われる

結果

培養開始1日後

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培養開始24時間後 コントロール

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培養開始24時間後 コントロール

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培養開始24時間後 プラズマ処理①

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培養開始24時間後 プラズマ処理②
  • 光って見える丸いものはシャーレに接着していない細胞
  • プラズマ処理②の拡大図は倍率200倍



考察

  • 細胞の接着率はコントロールとプラズマ処理で大きな差は見られなかった。
  • 24時間経過時点で増殖している細胞の形態にほとんど差は見られず、今後の変化に注目したい。

まとめ

今回はニワトリ胚の細胞培養についてご紹介しました。

まだ培養を始めたばかりなので今後も経過をアップしていきたいと思います。

質問等ございましたら是非ご連絡ください。